言葉を発することに気を取られ会話が頭に残っていない

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新人研修のグループワークで言葉が全く発せなくなり、無口になった僕は、常にどうやって話すかばかりに気を取られ悩み続けました。でも、僕に降りかかったことはそれだけではありませんでした。他にも「あれ?僕おかしいんじゃない?」という出来事があり、その2つ目の話です。

ローテーションで回ってくる日直という役割

小学校、中学校、高校では、月に2回程度ローテーションで回ってくる日直という仕事がありました。やることとしては、教室移動の時の戸締りとか、授業始業時に「起立、礼」など言ったりするなどです。

そして、新人研修でも同様に日直という役割がありました。

新人2名で1日を担当して、講義前の挨拶とか、重要連絡事項の伝達とか、提出課題があったらそれを集めるとか、まぁそんなに大した仕事ではないですから、緊張とかする必要もない仕事でした。

その時は突然やってきた

その日は僕ともう1人の男性(Aくん)が日直担当で、Aくんと日直をするのはこれが2回目でした。そして、その日の研修も終わりに近づき、僕とAくんは人事の人に何か連絡事項はないかを聞きに行きました。

流れとしては、

  1. 人事から、連絡事項が日直に伝えられる。
  2. 帰宅前に新入社員全員に対して、日直がその連絡事項を伝える。
  3. 終業。

のような流れになっていました。

また、前回日直をやった時、2番目の連絡事項の伝達はAくんがやってくれていたので、今回は僕がするということになっていました。

僕は、グループワークを全然思い通りにできず、言葉すら発することができない情けない状況だったことと、この人事の方がかなり厳しい方だったので、しっかり応対しようと気合を入れました。

Aくんと共に人事が待機している部屋に行って、「今日の連絡事項は何かありますか?」と尋ねると、人事の方は僕たちに連絡事項を4つほど伝えてくれました。

僕はグループワークでは一言も言葉を発していないことをどうにかしなければならないと悩んでいたので、人事の方の前ではしっかり返事をしようと、人事の話に対して、しっかりハキハキと「はい、わかりました」と返事や相槌を打ちました。

そして、「失礼しました」と部屋を退出しました。

あれ?何も残っていない

部屋を退出したとき、ハッと我に帰りました。

しっかりハキハキと返事をするということに気を取られて、話の内容を全く覚えていなかったのです。ノートにメモをし忘れたというのも致命的なミスでもありましたが、新入社員の23歳の記憶力ですから、普通4つくらいの連絡事項は記憶できるはずです。

ところが、何一つとして思い出せません。僕の脳内には人事の話は何も残っていないのです。思い出すのは自分の「はい、わかりました」という僕の返事だけ。そもそも聞いていなかったのだと思います。

どうしよう。どうしよう。どうしよう。

Aくんは、そんな僕の状況も知らずに、そそくさと研修部屋に戻って行き、僕もそれを追いかけるように研修部屋に戻りました。

Aくん助けてくれず

どうしようかと色々考えて勇気を出して、Aくんに人事からの連絡事項はなんだったのかを聞きに行きました。グループワークのメンバーにすら話しかけることができなかった僕ですから、そんなに関わりのないAくんに話しかけるのは労力が要りました。

それでもなんとか僕は、Aくんに「人事の連絡事項が一つも思い出せないから、教えてくれませんか?」と尋ねました。

すると、Aくんは「わからんかったら、人事にもう一度聞きに行けばいいじゃん」と言ってきました。「いや、そこをなんとか」などと頼み込める雰囲気ではなく、Aくんとの会話はそれで終わりました。

人事に聞き直しに行く勇気

ということはAくんも覚えていないということか?どうしよう。どうしよう。

あと少しで終業。この苦痛なグループワークから解放されて家に帰れるというのに、終業前に行われる連絡事項の伝達ができないという今の状況。どうしたらいいのか全然わかりませんでした。

今思えば、人事に「もう一度教えてください」と聞きに行けばよかったのでしょう。でも、人事はかなり厳しく、そして口癖のように「一度言われたことをなんども聞かない」とか言っている人だったので、僕は躊躇してしまいました。

もはや非合理的な破壊的な思考・行動です。冷静であれば、恥を忍んで、人事に説教されようが、もう一度聞きに行くべきだったと思います。

でも、それができません。

忘れられないAくんの言葉

いよいよ、終業時刻になり、人事からの連絡事項を日直である僕が、他の新入社員に伝えるという業務の時間になりました。

僕とAくんは前に出て、僕は、「え〜っと」とか「その〜」とか言いながら、その後無言になりました。

僕「・・・・・・・・・・・・・」

しばらく無言が続きました。それでも7秒とかそんなもんだと思いますが、すごく長い時間でした。

そして、見かねたAくんがサラサラと4つの連絡事項を伝え、終業となりました。

帰り際、僕はAくんのところに言って、謝罪をしようと思って近づいたところ、Aくんから「お前、まじ死ね」と言って、Aくんは帰って行きました。

帰り道

もう耐えられませんでした。色々な思考が頭を駆け巡りました。

  • 自分のせいでこうなったので、悪いのは僕であることは確かです。
  • Aくんは4つの連絡事項を知っていたわけですから、僕が頼んだ時に教えてくれてもよかったわけです。
  • 結局、人前で恥をかくんだったら、人事に「もう一度教えてください」と恥を忍んで行けばよかったわけです。
  • そもそも、はっきりハキハキと返事をするということにとらわれてしまい、話を聞いていなかったことも問題です。
  • そして、はっきりハキハキと返事をするということにとらわれてしまったのは、グループワークで話しかけられないから、なんとか変えようと思ってしたことでした。
  • だから、グループワークでメンバーと普通に会話できていればこんなことにはならなかったわけです。

なんで、話しかける、言葉を発するだけなのに、こんなに悩んで、そのせいで話の内容が全く頭に入らず、同期には「死ね」と言われ、僕はどうしてしまったんだろうと涙を目に貯めながら帰りました。

でも、なぜそんなことになったのかは今でもわかりません。ただ、仕事で一番大切とされるコミュニケーション能力が欠如しているんだと痛感するようになりました。

自信なんてものはなくなり、最低限のことだけして生きていこうという思いが強くなりました。